executionってなに?

 

最近自分がOWLを観るにあたって新たな視点で評価しているのは選手のexecution

 

execution(エクセキューション)は直訳すると実行とか遂行という意味だけど、この場合はもうちょっと限定的な状況を定義する。

 

それは「(戦術における)遂行能力」のこと。コーチが要求する戦術やその役割について、選手がどのくらいコミットできるか—正確に遂行できるかというもの。

 

ちなみにexecutionには処刑という意味もあって、ちょっと前に流行った鬼畜ゲ―で出てきたしそっちで覚えてる人も多いのでは。

 

 

今のメタでよく見られる3DPSを例にして、一番わかりやすいDPS(ファラ)視点でGOATSが相手だとして考えてみる(GOATSは説明だけで記事1つ書けてしまうので機会があれば)。

 

3DPS構成においてファラの重要性は言うまでもなく頂点だ。GOATSはその性質上囲まれるのに弱いので、マップに依存せず上からの射線を確保できるファラは貴重な存在である。その弱点をついて相手を囲みポークで体力を削り、バレッジやEMPといった強力なウルトで殲滅するのが3DPS構成の基本的な戦い方だ。

そんなファラが瀕死の相手を追いかけて、リスクをとってキルを狙いに行くも自分がデスしてしまったら?上からの射線がなくなったGOATSは「攻めに行くと上から撃たれて事故死する」という悩みの種がなくなったことにより一気に選択肢が増える。この要素は仮に1:1交換できたとしてもなおGOATS側にアドバンテージがある。そもそも安全な位置から撃っていれば自然に有利が取れるのに、欲を出して逆にキルされるというのは戦術そのものを理解していないことになる。

 

こういう場合は単にミスというよりは遂行能力の欠如(による判断ミス)と説明したほうが正確だ。

 

アナが隠れて相手のハルトにスリープを当ててシャターを決める作戦を失敗したとして、スリープを外したらアナのexecutionが悪いのか、または作戦そのものがアナのexecutionを過信していたのか。

難しい部分ではあるが、コーチはそれを見極めて戦術を練らないといけないし、選手もそれに応えられるよう努力してなくてはならない。

さらには相手が自分たちの戦術を好きにやらせてくれるとは限らないのが一番難しいところだ。しかしだからこそexecutionが求められるのではないだろうか。

最終的に実行するのは選手だが、かといって丸投げではなく戦術の正確性や緻密性・事前の打ち合わせなど判断基準を明確にすることで精度を上げることは可能だろう。